更年期障害のセルフケア

更年期障害とは、簡単に言えばホルモンバランスの乱れとストレスを原因とした自律神経失調の状態で、それが更に感覚、運動神経症状や精神的症状にまで波及した状態です。

その症状は、ストレスや不安が自律神経症状や感覚・運動神経の症状、精神的症状を悪化させ、それが更にストレスや不安を増幅させる、という悪循環に陥る傾向があります。

それを改善するには、

①なるべくストレスや不安を解消する。

②自律神経症状や感覚・運動神経症状を改善する。

などして、その悪循環を断つことが必要になります。

それは対処療法にはなりますが、必要であると考えています。

その為には

①生活を改善して、なるべく規則正しい生活をする。（自律神経の調整）

②運動などで循環を良くして、なるべくストレスを解消する。

③趣味などでストレスを解消する。

④悩みを人に相談するなどして、なるべくストレスを溜めない。

⑤首や背中のストレッチをして首や背骨周りの筋緊張を緩めて、かつ目や頭のマッサージをして目や頭の筋緊張を緩める。（自律神経の調整）

などが必要になります。

特に⑤については、自律神経の大元である脳や脊髄周囲の筋肉の強張りが強いと、物理的に自律神経の働きにストレスを与えて、バランスが更に崩れ悪循環になってしまいます。

逆にそれらの筋緊張を緩めて身体的な辛さを改善すると、それだけで自律神経症状が改善することがあります。（ストレッチについては「不眠・慢性疲労のセルフケア」のページを参考にして下さい）

脳や脊髄の周囲、つまり頭や首や背骨周りの筋肉の強張りを緩めることは、自律神経のバランスを整える上で非常に重要なのです。

この辺りは「自律神経失調症」とも密接に関係しますので、そちらもご覧いただければと思います。

更年期障害は、自律神経症状、感覚・運動神経症状、精神的症状の３つが悪循環を起こす傾向にあります。

指圧はこれらの内、①自律神経症状と②感覚・運動神経症状に直接アプローチします。

①自律神経症状とは、交感神経が過剰に働き、副交感神経が抑制されている状態（自律神経失調の状態）です。

ですから指圧によって、副交感神経にアプローチして優位させて、交感神経を抑制することは有効です。

②感覚・運動神経症状とは、「脳幹部→脊髄→体表」と刺激が伝わり、体の表面にコリや痛み、痺れをもたらします。

一種の内臓体性反射と言えます。

この場合、体表の症状を刺激して改善すると、逆に「体表→脊髄→脳幹部」と刺激が伝わり、中枢神経を刺激し、症状の改善を期待することが出来ます。

特に前述したように目、頭、首、背中の筋緊張を緩めることはとても大切です。

また体の痛みなどが治まれば、それによるストレスも軽減されます。

全て対処療法の域は出ませんが、更年期障害の場合は、このような対処療法の積み重ねが、症状の悪化を防ぎ、来るべき完治に向けての必要なステップであると考えます。

更年期障害でお悩みの方は是非一度お気軽にご相談下さい。